慶沢園 ~植治の小宇宙・マイクロツーリズム2

天王寺公園(てんしば)内にある、とっておきの素敵な空間。

1918年、住友家茶臼山本邸の庭園として造園された慶沢園は、小川治兵衛こと「植治」が10年の歳月をかけて完成させた名園です。

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旧藤田家正門

訪れる人はまばらで、植治の庭園をじっくり堪能できます。

これが入園料150円で楽しめるなんて……大阪市、太っ腹。





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高層ビルが借景になっているのも天王寺らしい。


鏡のような池の水面。
四阿(あずまや)も見えて、山水画のような趣き。





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左奥に見えるのが市立美術館


円山公園平安神宮神苑、無鄰菴などの数々の庭園を手がけた庭師・植治。

彼の作風でとくに印象深いのが石の配置と意匠です。






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龍頭石

こちらは龍の頭部に似た自然石を使った「龍頭石」。

その北側には「龍尾石」も配されています。






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舟形石

こちらは舟形石。
対岸の州浜には、舟着石も置かれていました。





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切石橋

こちらは切石橋。
こういう橋を渡りながら、池をめぐるのはワクワクします。
遊び心あふれるお庭。






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うん、これこれ、これぞ植治!

円山公園神苑にも円柱形の橋脚が飛び石に使われていますが、ここでも七代目小川治兵衛のトレードマークとして配されていますね。






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四阿(あずまや)


池を一周したところで、四阿で休憩。







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矢羽根の網代

天井には、凝った矢羽根の網代
網目が美しい。
まさに匠の技です。
これをいま、作れる人がいるのでしょうか?





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つくばい

つくばいにも、円柱石の意匠が。
落ち葉の彩りが秋の風情。






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池にはカモやアオサギ、カケスなどいろんな鳥がいて、滝の音とともに心地よいBGM。