太陽が沈んだ日

2022年7月16日(土)

安倍晋三元総理が暗殺された日から一週間以上が過ぎた。

あの日の衝撃は生涯忘れないだろう。

あまりのショックに嗚咽が止まらなかった。

「なんてことが、起きてしまったんだろう!!」

絶句するしかなかった。

言葉にならない。
信じられない。
信じたくない。

悪夢を見ているとしか思えなかった。



あの日以来、太陽が沈んだまま、日本は漆黒の闇に包まれた。




安倍元総理の数多の功績については、私がここで述べるまでもないだろう。

世界各国から寄せられる弔問・弔辞、哀悼の意が安倍元総理の偉大な功績と類まれな人間性を物語っている。

インドもブラジルも国を挙げて喪に服し(ボルソナロ大統領は「君が代」の演奏を聴きながら涙を流していた)、多くの国々や大使館が半旗を掲げ、台湾の頼清徳副総統やマレーシアのマハティール元首相(97歳!)は安倍総理のご自宅まで弔問に訪れ、UAEアブダビ国営石油会社の本社ビルに安倍総理の写真と日章旗を映し出した。


リーマンショック東日本大震災原発事故で撃沈した日本と日本経済を救いあげて前に進め、セキュリティダイアモンド構想を立ち上げ、各国首脳と篤い信頼関係を築き、世界を牽引してきた安倍元総理。


彼は総理を辞任した後も、日本を太陽のようにあまねく照らし、日本の政治を支える大黒柱であり続けた。


親中派が取り巻く岸田政権が迷走しても、安倍元総理がいればなんとかなる、場合によっては安倍元総理の再々登板もあり得るだろう、と期待していた。


安倍元総理の存在こそが、この危機に瀕した日本における、唯一の救いだった。

唯一の希望だったのだ。



しかし、その唯一の望みが、ある日突然、断たれてしまった。


そして、糸の切れた凧のようになった日本だけが残された。




尖閣・台湾有事は、いつ何時起きてもおかしくない。

それは電撃的に始まるだろう。

そのとき、火事場泥棒がお家芸のロシアも、おそらく北海道に侵攻するだろう。

北朝鮮もこの機に乗じてミサイル攻撃を始めるかもしれない。


三正面から攻撃を受けるだろう日本には、有事の備えがあまりにも少ない。

この国は、平和ボケした国民、高齢化した国民が大半を占める「沈みゆく船」なのだ。


安倍元総理には、この恐ろしい国際情勢に対する強烈な危機感があった。

だからこそ、防衛費の増額や核共有の議論の必要性を訴えてこられたのだろう。



岸田首相には、そうした危機感と日本を守る覚悟がどれだけあるのだろうか。


安倍元総理亡きいま、太陽が沈んだままのこの国を、われわれ国民は守りきることができるのだろうか。


日本にはもう時間がない。