清凉寺(嵯峨釈迦堂)と「生の六道」&「六道の辻」

2022年4月10日(日)

半年ぶりの嵐山。
今日は、嵯峨大念仏狂言を見るためにやって参りました~!

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渡月橋から見た嵐山と大堰川
この日は初夏のような陽気。ボート遊び、めっちゃ楽しそう。






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桜はソメイヨシノのは葉桜だったけど、八重桜がちょうど見頃でした。

観光客も多く、コロナ前に近いくらいの人出。

お土産物屋さんも飲食店もにぎわっていて、かつてはヒマを持て余していた人力車のお兄さんたちも大ハリキリでした😊

これくらいの活気がちょうどいい。








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嵐山のにぎわいも嵯峨野の竹林あたりまで。清凉寺まで来ると境内はひっそり。

やっぱりお寺は静寂が似合う。聖域に踏みこんだ感じがしますね。







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一切経蔵。
堂内には、善慧大士坐像(中央)、普浄・普現像(両脇)が祀られ、奥には法輪が安置されています。

法輪は、いわば日本のマニ車
一回まわせば、一切経を読むのと同じ功徳が得られるという、ありがた~い仏具です。







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生の六道 小野篁公遺跡

いにしえの京都には、「東の鳥辺野」「西の化野」「北の蓮台野」と呼ばれる三大葬地がありました。

閻魔大王に仕えたとされる小野篁が、六道珍皇寺の井戸を通って冥途通いをしたというのは有名な話ですが、六道珍皇寺の井戸は「冥途の入口」とされています。

では、出口はどこか?
それは、この嵯峨野の福正寺にありました。
福正寺は明治の廃仏毀釈で廃寺となりましたが、その寺の井戸こそが「冥途の出口」だったのです。


「冥途の入口」がある東山(鳥辺野)は「死の六道」と呼ばれ、「冥途の出口」がある西山(化野)は「生の六道」と呼ばれた━━。

二つの井戸を出入りしながら、あの世とこの世を行ったり来たり。
生と死を絶え間なく繰り返す。

昔の人の死生観って、どこか夢があって、面白いなあと思います。





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清凉寺から大覚寺に向かって5分ほど歩いたところには「六道の辻」の石碑も。





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石碑が建つエリアには、お地蔵さまが祀られ、「鬼谷橋(おにたにばし)」という橋もかかっていました。

この橋を渡ると、地獄の鬼たちがいる「あの世」になるのかな?





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右に行けば愛宕山、左に行けば化野。
奥にはお地蔵さま。

冥途に向かう死者たちを優しく見守ってくださいます。