『「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法』

大阪都構想2.0』、『大阪から日本は変わる』と推進派の本を読んできたので、反対派の本も読もうと手に取ったのが本書。

読んでみると「なんじゃこりゃ~!」というほど、真っ赤っかな共産主義者が書いたサヨク本だった。

今どき「大企業の搾取」「富裕層=悪」って、いつの時代やねん……。

 大企業と富裕層に重税を課して骨の髄まで吸い尽くし、庶民にはバラマキと賃上げを行い、富裕層と失業者をゼロにして「革命」を起こし、大阪を旧ソ連のような格差ゼロの自治体にするという著者の提案にはドン引きした。

とはいえ、アマゾンのレビューでは高評価なんですね。びっくり。こういうのがウケるんだ。個人的には、★1つをつけた方々の意見に賛成かな。 



批判的な感想ばかり書いてしまったが、都構想の問題点について「一理ある」と思わせる部分も散見される。たとえば以下の言及。 

 

大阪市特別区になったら財源の大部分がいったん大阪府にいきますが、府民のために使われるんじゃありません。むしろ、維新は大阪市域でもビジネスに投資する気はまんまんまんです。万博・カジノも大阪市域だし、そのための交通インフラとかも主には大阪市域。問題の本質は、大阪市大阪府かではなく、住民に投資していたものをやめて、民間企業に投資するっていう『行政の役割の変更』なんですよ」(大石あきこ)

 

 私自身は、地元企業や国内企業の育成・成長に利する形での民営化や民間投資ならば賛同できるが、府市民の血税外資にばかり吸い上げられる構造づくりに都構想が寄与するとしたら、大いに問題があると思う。

 都構想の利権がどこに向かうのか。

そもそもカジノは大阪に不要ではないのか。

維新からの明確な回答もなく、いろんな疑念が渦巻いたまま。

大阪府民だけど大阪市民ではない私は、住民投票権のある方々の賢明なご判断を祈ることしかできない。

いずれにしろ、賛成派・反対派・迷っている派がそれぞれ自分たちの住む街の行く末について真剣に考え、論じ合うのは非常にいいことだと思う。

大阪が活気づき、おおいに盛り上がっている。

11月1日、はたしてどんな結果になるのか、わくわくする。 

「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法

「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法

  • 作者:大石 あきこ
  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

日: 2020/04/03
メディア: 単行本(ソフトカバー)