2023年6月17日(土)
長谷寺の二本の杉を通る旧参道から降りて、初瀬川にかかる連歌橋を渡ると、素盞雄神社へ続く階段が見えてきます。
この日は長谷寺の登廊と、素盞雄神社へのこの階段、そして次に向かった與喜天満神社の階段と長谷寺駅に向かう階段を合わせて、44階分の階段を上ったことになるというハードな一日でした😊
素盞雄神社に至る参道の途中にあるのが、5年前の2018年に創建された玉鬘神社です。
この場所には玉鬘にちなむ「玉鬘庵」があったとのことですが、玉鬘は『源氏物語』のなかの架空のキャラなので、どういうことなのかな?
主祭神はもちろん玉鬘。母の夕顔と侍女の右近も配祀されていて、創建時には能《翁》と《玉鬘》が奉納されたそうです。
それ以来、参拝者が少ないのか、雑草が生い茂っていますね💦
玉鬘神社からさらに階段を上ると、素盞雄神社の鳥居が見えてきます。
左手奥にあるのが、奈良県最大の銀杏「玉鬘の大銀杏」。
近くで見ると、さすがに大きい!
樹齢800年以上、高さ約40mのこの大銀杏は、奈良県の天然記念物「初瀬のイチョウの巨樹」として指定されています。
幹に手を当てると、みなぎるようなパワーが伝わってきます。
秋には、輝くような黄金に色づいてきれいでしょうね。
素盞雄神社は社伝によれば、近くの與喜天満神社が948年に創建された際に、その背後の與喜山がアマテラス降臨の地(元伊勢)であるため、弟のスサノオも祀ろうということになり、素盞雄神社が創建されたといいます。
また、素盞雄神社は牛頭天王を祀る祇園信仰の神社として祭祀されたため、「ごってらさん」の俗称で親しまれていたそうです。
素盞雄神社の狛犬は関西では珍しく、前足を伸ばして、後ろ足を立て、お尻を上げる「出雲式狛犬」の形式をしています。
その昔、長谷の東には出雲の里があり、その地に菅原氏の祖先とされる土師氏が居住していたことから、「菅原道真影向の地」という伝承が残っているともいわれています。
素盞雄神社を創建した人々も、出雲とゆかりのある人たちだったのかもしれません。