“大阪的”って何?水辺から考えるアート・大阪・大阪暮らし

2023年9月9日(土)  中之島会館

会場となった中ノ島フェスティバルタワー


橋爪節也先生の講演があるということで、内容がよく分からないまま、とあるシンポジウムに行ってみた。

プログラムは以下の通り。

プログラム
【1】基調講演『大阪的-意匠論』  
井上章一 国際日本文化研究センター 所長

【2】「おおさか」の水辺・過去~現在~未来
①浪花百景・・・「幕末の水辺に迷い込む」   
橋爪節也  大阪大学 名誉教授   
波瀬山祥子 大阪大学総合学術博物館 研究支援推進員

②変化する水辺 明治・大正・昭和   
船越幹央 大阪大学総合学術博物館 副館長

【3】パネルディスカッション 
『コミュニティを旅するように』  
井上章一  笑福亭仁智 公益社団法人 上方落語協会 会長  
橋爪節也 / 船越幹央 / 波瀬山祥子(司会・進行)  
堀久仁子(一財)大阪市コミュニティ協会 都市コミュニティ研究室室長代理



井上章一さんの基調講演はタイトルが『大阪的ー意匠論』とあるけれど、平たく言えば、「大阪のオバチャン」に代表されるステレオタイプ的な大阪のイメージは「ほんとうの大阪」を表しているのだろうか?というテーマで、なかなか面白かった。

井上氏は、世間一般に広まっている大阪のイメージはメディアによってつくられたものではないか?と推察する。

というのも、現在でも大阪では地元で作った自社制作番組が地方のなかでは一番多いが、それは20世紀半ばまで多くの一流企業がその本社を大阪に置いていたことに由来するという。

大阪には地元に本社を置く有力スポンサーが多かったため、番組制作にも潤沢な資金が投入されていた。

しかし、20世紀も後半になると、多くの企業が本社を東京に次々と移転したため、大阪のテレビ局は低予算で番組を制作しなければならなくなった。

そこで編み出したのが、ギャラの要らない素人の起用だ。

大げさで面白いリアクションをする素人たちがテレビに起用され続けた結果、そうした番組を見続けた一般の大阪人たちも「大阪人は面白いことをいうものなんだ」と洗脳され、街角でマイクを向けられれば「何か面白いことを言わなければ!」という強迫観念から面白いことを言うようになり、かくして「大阪人の人格」が構築され、1980年代半ばころまでには「大阪のオバちゃん」のイメージが形成されていった。



……というのが井上氏の仮説だったが、うーん、どうかなあ。

たしかに誇張された大阪のイメージはメディアの影響もあるとは思うけれど……。

講演内容の書籍が出ているらしいから、面白そうなので早速読んでみようっと。






橋爪節也先生の講演はめちゃくちゃ面白かったけれど、持ち時間がたったの15分で、思いっきり早送りでしゃべってはったのが残念だった。

もっとじっくり拝聴したかったなあ。

今年3月に開催された橋爪先生の退職祈念の最終講義に出席しなかったのが悔やまれる。

たぶん講演内容は『浪花百景』にも書かれているのかもしれないけれど、橋本先生の肉声で聞く講義は面白さが倍増する。

またぜひ機会があれば、橋爪先生の講義を拝聴したい。





シンポジウムは休憩時間にそのまま退席。

中ノ島の風景を楽しみながら駅まで散策した。

水の都と言われるだけあって、やっぱり大阪は水辺の風景がいちばん似合う。

錦橋

土佐堀川にかかる歩行者専用橋。

1931年に建造された錦橋は、かつては可動堰として、内部にゲートが備わっていたらしい。





タイルに焼き付けた錦絵

歩行者専用の錦橋の上はちょっとしたアートギャラリーになっていて、幕末から明治初期にかけての橋を描いた錦絵のタイル画が何点か展示されていた。

私以外に橋を渡る人もなく、寂れた感じがザンネン。






日銀大阪支店(左)と大阪市役所(右)

日銀大阪支店か……。

日銀の存在意義は、一にも二にも「物価の安定」。


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