2023年10月7日(土)
一条戻橋から一条通を西へ15分ほど歩くと、京都屈指のパワースポットとされる大将軍八神社が見えてきます。
大将軍八神社は平安遷都の際に王城鎮護のため、大内裏の天門(北西角)を守るべく造営されました。
造営にあたっては、陰陽道の暦神・八将軍の一柱である方位神「大将軍」を、春日山麓から勧請したといいます。
大将軍は魔王天王とも呼ばれる大鬼神でしたが、江戸時代には素戔嗚尊(牛頭天王)と習合しました。
そのため現在では、大将軍八神社の主祭神は素戔嗚尊となっています。
観光客もあまりいない静かな境内。子供たちが縄跳びをして遊んでいました。
地元の人に親しまれている神社なんですね。
本殿の前には八方の方角をあらわす八卦の石板が置かれていて、いかにも方位の神さまという雰囲気です。
シンメトリーに配された松の木は手入れが行き届いていて、ヴィジュアル的にも美しい神社ですね。
本殿の隣に立つ御神木「招霊(おがたま)ノ木」。
その名の通り「霊を招く」というパワーの強い霊木だそうです。
手をあてさせていただくと、ほのかに暖かい「気」が手のひらに流れ込んできました。
地主神社の大杉大明神。
名前から察するに、かつては大きな杉の御神木が立っていたのでしょうか。
大杉大明神の隣には小さな祠が。
「豆吉明神」という可愛らしい名前をもつ一願成就の神さまです。
方徳殿(宝物館)には、木造大将軍神像80体(いずれも重要文化財)が安置されています。
特別拝観日に拝見できるようです(それ以外の日は要予約)。
陰陽道で重要な「歳徳神(としとくじん)」と「大金神(だいこんじん)」も祀られています。
吉方の方位神「歳徳神」にはお力添えを、凶方の方位神「大金神」にはお許しをお祈りします。
こうして吉凶の方位にまつわる2つの神社を同時にお参りすることで、運が開けて来るそうです。
ほかにも恵比寿神社・稲荷神社・天満宮・長者神社・金毘羅神社を祀る五社や、命婦神社・厳島神社・猿田彦神社を祀る三社などもお祀りされていて、参拝の後はとても清々しい気持ちになりました。
さて、大将軍八神社の周辺には「妖怪ストリート」と呼ばれる一条通商店街があるので、ついでに散策してみました。
かつて平安京の北端にあった一条通は、人と妖怪の世界を分かつ境界に位置する通りとされていました。
捨てられた古道具が妖怪に変化して一条通を行進する「百鬼夜行」伝承など、さまざまな妖怪伝説が残っています。
大将軍八神社が建つ一条通商店街では、妖怪伝説にちなんで、妖怪のオブジェが店頭に飾られたり、妖怪にまつわるイベントが開催されたりしているそうです。
ベーカリーショップの前には、トーストをかぶった天狗っぽい妖怪やクロワッサンの耳を持つ鬼のような妖怪など。
手作り感満点です。